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スケール感と緻密さ。どちらも
想像を超えていた「私の現場」。
整備(溶接・溶断)
百合岡 凌也 Ryoya Yurioka
機電事業部 機械本部 整備部 加古川機械整備室
2017年新卒入社/高校 機械科卒

※インタビュー内容は取材当時のものであり、
一部現在の部署業務とは異なる場合があります。

自分の手がけたパーツを
取り付けた現場は愛着が湧く。

こんなに広い構内で、仕事をするのか――。甲子園球場130個分の加古川製鉄所、そのスケール感は正直、想像を超えていましたね。入社後、構内にいろんな工場があるのを自分の眼で確かめて「ここが、私の現場になるんだ!」とワクワクしたのを覚えています。機械・動力設備の摩耗点検や振動による割れ目の補修など、溶接・溶断の鉄工作業を担当する私は、工場別の分駐チームで高炉工場の現場を経験した後、いまは構内全工場を手がける機動チームに所属しています。医者に例えるなら、分駐チームは内科や呼吸器科などの専門医、機動チームは総合診療という感じですね。作業には1日で終える日修と、1週間ほどかけて機械設備を綺麗にオーバーホールする大修理があります。大修理は定期的な健康診断で、言わば「工場ドック」ですね。どちらも班長が作業工程を決め、数人の班員がチームワークで動きますが、気をつけているのは段取りです。必要な道具を事前にしっかり確認し、予定にない作業を任されても「任せてください!」といつでも言えるように。補修に必要な部品の製作・加工もするので、自分の手がけたパーツを取り付けた現場は、やっぱり愛着が湧きますね。安全に作業を終え、お客様から「ありがとう」と言ってもらえると最高に嬉しいですし、達成感がありますよ。

2枚の鉄板を3層でつなぐ溶接技術。
難しいことが楽しくなって、一人前に。

現場では、自分の技術の未熟さを思い知らされることも少なくありません。それでも少しずつ、成長を実感しています。老朽化した部位に新しいパーツをつなげる時は、劣化部に悪影響が生じないようにしっかりと見極める。摩耗した薄い鉄板には、溶接で熱を加える時間をできるだけ短くする。難しい溶接技術も、楽しく感じられるようになったからです。2枚の鉄板をつなぐだけでも、とても奥深い。ピタリとくっつけずに少しずらして隙間をつくり、そこに鉄板と同じ厚みになるまで溶接で肉を盛ります。肉厚も板幅も揃えないと、曲げの力が加わった時に割れてしまいます。そんな緻密な技の一つひとつが、スケール感溢れる構内の現場を支えていることも、入社前には想像できませんでした。先輩の作業を見習いアドバイスも受けながら一つずつ覚えて、とにかく技術が足りないところは練習の積み重ねしかありません。「それぐらい、すぐにできる」と思うことも、やってみると難しいし、失敗する。でも、どうすればよかったのか、次はこうしよう、と自分で考え、またチャレンジしてやり続ける。そのうちに当たり前にできるようになって、一人前を実感できる。それがものづくりの面白さでしょうね。

自ら進んで手を挙げ、声を上げて
「あの人を超えたい」と目標になる存在へ。

3年目を迎えて、溶接の技だけでなく「このタイミングなら、この作業だな」と工程の流れも読めるようになりました。これからの挑戦テーマは「もっと、自分を前へ」ですね。私にできることは自ら進んで「やります!」と手を挙げて、「もっと、できます!」と声も上げていこう、と。作業の流れを止めないように、さらに自分の気づきと行動で、現場のみんなをより良い流れへと導いていけるように。技術面でも資格取得を目指していますし、社内の技術技能競技大会では初めて、アーク溶接部門で銀賞(2位)になりました。競技後の審査は、溶接部をレントゲン撮影で不純物や欠損部もチェックします。見えないところも厳しく問われるので、挑戦のしがいがあります。他の出場者の技も勉強になりますし、特に同期の存在はいい意味で「コイツには負けられない!」と、とても励みになっています。技術に磨きをかけるのは終わりのない挑戦ですし、これからは後に続く人と技術を育てる役割も担っていきたいと思っています。まずは指導員になって、さらに班長、職長とキャリアを築きながら、後輩に「百合岡さんを目指そう!」「あの人を超えていきたい!」と目標にされる存在になれたら、嬉しいですね。構内にあるいろんな工場の現場を、知る楽しみと支える醍醐味を、これからも存分に味わっていくつもりです。

My Decision
入社の決め手

工業高校の部活でロボコン大会に参加した時、みんなで力を合わせてゼロからつくり上げたのがとても楽しくて、ものづくりやメンテナンスを仕事にしたいな、と。自分が好きなこと、一番やりたいことを社名に掲げるのが、コベルコE&Mでした。先輩はみなさん気さくで、メリハリのある仕事の進め方も私に合っていました。福利厚生が充実しているのも、入社して実感した魅力です。初めての独り暮らしも、播磨寮は朝晩の食事があっておいしいので、不安が消えました。高校時代からの憧れだった大型バイクも「仕事をして、お金を貯めてから」というプラン通りに手に入れて、寮の仲間とツーリングにも出かけています。ワークライフバランスが、高いレベルで充実しています。

The Spirit
この仕事の真髄

溶接って、自分のこだわりや技がカタチになって目に見えるので、達成感があります。綺麗に凸凹なく、同じ高さと幅でつなげているか。均一に力を加える動かし方、やりやすい姿勢、適正な電気の流量などを、自分で考えながら見つけていくのは簡単ではありませんが、実は楽しい時間です。一人ひとりのスタイルも違いますね、先輩たちも。ゆっくりタイプに、サッと瞬時にやってしまう人。私は「じっくり、丁寧」タイプですが、作業時間は限られているので、「丁寧で、しかも早く」できるようにもなりたいですね。失敗が続いて心が折れそうになる時は誰でもありますが、諦めないハングリー精神があれば、必ず乗り越えられるのも技術の醍醐味です。「これぐらいで、いいか」ではなく、「もっと」「まだまだ」と、これからも頑張っていきたいと思います。